ルールを知る

実はとっても厳しい

また高級住宅街と呼ばれる地域はただ憧れだけで住むには、少しばかり難しすぎる場所としても知られている。世帯ごとの経済的な格差も多少なりともあるでしょう、競争社会となっているこの時代ではどうしても隣近所の収入状況が気になって仕方がないという人も多い。筆者の父親が新しく車を購入した時も、近隣の住民がそれを父に尋ねた直後に同じように自動車を購入するという、ライバル心とも見えるような出来事があった。人との繋がりが気迫になっている中だと、こうした部分で何かと張り合おうとする人はどうしても出てきます。正直全く関係ないはずなんですが、そうもいかないようだ。

高級住宅街についてもそうした雰囲気は多少なりとも存在しています、ただこういった町並みには地域独自に掲げているルールが存在している場合がある。それは地元住民にすれば守って当たり前、協力して当然ともいえることですが、それが引いては高級住宅街と呼ばれ続ける要素を保ち続けている結果へと繋がっているのです。それが実を結んでいるのは、自分たちが住む街なのだからきちんと守っていこうというごく自然なことだ。

参考例として、田園調布にある町の人達が長年掲げ続けているルールについてはなしをしていこう。

憧れの都会暮らし

緑豊かな町を維持し続けるために

日本屈指の高級住宅街として君臨し続けている田園調布ですが、この町は世間の目に何かと曝されるということもあって町の美観を常に意識しているように見える。都心になればなるほど見られる人工的な文明が自然を侵食している姿を見ると、たまに心いたたまれなくなる。人間は自然環境なくして生活していくことは出来ず、また日々を過ごしていれば、何処かで緑溢れる自然を眺めていたくなる時もあるものです。

現在の田園調布は住環境として見れば、自然と人口が調和したベストな住環境が形成されている。必要以上に人工物が多くあるわけでもなく、必要最低限に自然が減らされているわけでもない。これを可能としている時点でかなりすごいことだ。ただ流石に数百年ともいえるような時期ではないにしても、100年近い時間を町で過ごす街路樹も多数存在しています。それは田園調布という町が誕生した大正時代にまで遡ることが出来ます。

出来たばかりの頃は高級住宅街としての性質も、また自然もさほど多くはない殺風景な場所だったと言われています。それが年々、人々の努力を通じてイチョウなどを植えていき、さらに生け垣に加えて庭の緑や花を栽培する人も増えていきました。通行人はそんな様子を観光名所とばかりに楽しむようになっていきましたが、同時に住んでいる人達にしたらこうした緑を守っていかなければならないという気持ちになったという。これによって、田園調布の緑を守るために『田園調布会』が結成されることとなり、緑がこれ以上減ることのない、豊かな町づくりをしていこうとする制約が誕生した。

新規に暮らす人も例外ではない

このルールについておおまかに概要をまとめると、

  • 周辺環境との景観を破壊しないようにする
  • 家の高さなどを考慮して、近隣の人々に迷惑をかけない

といった、建物と自然、さらに周辺に点在する建物とのバランスを著しく乱さないことがルールとして掲げられている。

これは京都や兵庫などの景観維持が掲げられている場所と同じように、ただ乱立してこんな家が建てたいという欲望をむき出しにするのではなく、新しく住む人にしてもきちんと周りとのバランスを均衡にしなければならない取り決めとなっています。法的な制約もあるのかもしれませんが、これが住民同士の自治体の取り組みとして見た場合には中々難しい側面といえるでしょう。何も知らないで引っ越して住み始めた人は、まずこの点に気をつけないと行けないでしょう。

高級住宅地ってどうなんですか

ルールを守らない人は多い

こうしたルールをうっとおしいと感じる人もいるかもしれません、ですが社会で生きていく上ではルールは最低限守らなくてはいけません。それは人として生活していく上で、自分勝手な事は許されないという話にもなります。何処までしていいのか、ここまでしていいのか、という線引は結局その人の常識観でしか語られないものです。けれどその感覚がどうしても常軌を逸している人がいると、諍いが発生してしまう可能性も出てくる。

隣人トラブルとはこうした部分から出てくるものだ、高級住宅街でもない話ではないでしょう。ですが田園調布のような町を掲げたルールがある町ほど、しがらみも多く存在している。そう考えると表参道のようにマンションでの生活となったら、隣人の顔を知らなくても生活していけるのが普通となっているので、そもそものルールを知らない人も多いのかもしれません。

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